【高級オフィスチェアについての私見】


 オフィス家具のうちでチェアは最も重要なアイテムともいわれます。それは家具の中で唯一常に人の身体に接しているものだからといわれています。それだけ人間の身体に与える影響も大きく、仕事の内容を左右するものだからかもしれません。
イスの大きな欠点の一つとして、座っていないときは単なるジャマモノだといわれます。しかもオフィスチェアは大きいのでさらに邪魔になると思われるかもしれませんが、このことは高級オフィスチェアにおいては正解でもあり正解ではないのではないかもしれないと思います。それはそれぞれのチェアの印象でも書きましたが、持っているだけで、眺めているだけで満足ということ。加えて空間にたたずんでいるだけで空間を全く違うものに変えてくれるものだからです。使う人の意識までも変えてくれること、行っている仕事のグレードも上げてくれることに対する期待ができるかもしれません。それは、それらのオフィスチェアを提案しているメーカーの到達している視点と意識の高さがもたらすものなのかもしれません。モチベーションをあげると同時にユーザーの健康に配慮し、能力のある人たちの力をより発揮することが期待できるのではないかと思います。 
 そんな高級オフィスチェアのその良さをオフィス家具メーカーは一般の人たちに伝えることができていませんでした。それは従来の働き方がオフィス=企業であり、もともと多くのオフィス家具メーカーはBtoB、すなわち企業の顧客を対象にした販路が売上のほとんどを占める企業が多かったのです。そのような状態で在宅ワークという状況が大きく拡大し、そこに適したチェアの大きなニーズが出現したのです。実際eコマースなどで自分が会社のオフィスで使っていたイスが実はこんなに高いもの、良いものだったのだと改めて見直したという声は多く聞かれるようです。そのような状況に対応するべくオフィス家具メーカーは、自らの販路を急ごしらえでつくると同時に有力なeコマースを通じて販売しようとしています。しかしながら、eコマース市場では、前述したようにコスト的に安価なものから売れていく傾向があるので、従来のセンターオフィスの傾向の変化と、同時に在宅でのソロワーク環境でもなかなかその存在を知られていかない、せっかくの高級オフィスチェアは置き去りにされる状況があるのではないかと懸念されるのです。それはユーザーのほうも同じです。もっとスムーズに健康的におしゃれにクリエイティブに在宅ワークとその環境を整えたいワーカーにとって必要なアイテムの存在を知らないということはもったいないということなのです。安価なイスが悪いといいたいわけではありません。できるだけ多くのいろいろな情報を検討し、そのなかから自分の環境や嗜好に合った製品を選んでいただきたいと思うのです。これが私がこのサイトを立ち上げた動機の一つです。

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