在宅ワークにオススメ(したい)高級オフィスチェア10選 イング
ing(イング)
イング(コクヨ)
概要
コクヨが「座るを解放する」というコンセプトのもと、2017年に発売したイノベーティブなイス「ing(イング)」は、動くことで、座って働く人をストレスから解放し、さらに頭と体を活性化させる姿勢をつくるといいます。
人の体の微細な動きに合わせて360°自由に動くグライディング・メカを装備しているため、座るだけで心地よいリズムが生まれ、クリエイティブな思考を活性化させるといいます。二層のメカの組み合わせによって、前傾、後傾、左右のひねりまで、体のどんな動きにも追従。バネを使用しない、ブランコのようなメカは、動きはじめの負荷をなくし、体を動かしやすくしてくれるといいます。さらに、動いた後は揺り戻しがあるため、バランスを崩すことなく、安心して体を預けることができ、人それぞれが自然体になり、心身が自由になっていく、働きやすいコンディションを生むためのブランドがイングだとしています。
特長
イングのグライディングはイスの3原則を調節なしで実現するといいます。
1つ目は、働くことで、自然なS字をつくる=体の土台となる骨盤の最適な角度を常に維持するため、正しい姿勢である背骨のS字形状を自然に保つことができるということです。(ランバーサポートの調節なしに実現)。
2つ目は、動くことで、体圧を分散する=常に体の動きに合わせて座面がスイングするため、体圧がバランスよく分散され、体への負担が軽減します。(動的に体圧を分散)。
3つ目は動くことで、どんな体格にもフィットする=一人ひとりの体格や体重に合わせて自然にメカが追随するため、レバーなどで調整する必要がありません。(ロッキング強さ調節、座面奥行き調節が不要ということです)。
機能
グライディングをより効果的にする機能として以下の機能を備えています。
背骨を解放する「ランバーレスデザイン」=360°グライディングが、背骨のS字カーブを自然につくるため、背もたれにランバーサポートはない。背骨がより解放され、体が動かしやすくなる。
安心して体をゆらせる「グリップアーム」=肘は完全固定タイプ。バッド前側はクッション材で覆われた構造のため、グリップしながら安心して体をゆらすことができる。
PCワークに対応する「可動式グリップアーム」=PCワーク時の腕をサポートするため、上下方向と内側回転の可動機能を拡張。固定タイプの動揺、肘と背座は連動して動かない構造で、肘パッドをしっかりとグリップして体をゆらせる。(上下ストローク:100㎜、角度:内側60°)
座面奥行きの調整が不要の「フロントフリーチルト」=後傾時に太腿の裏側を圧迫しないよう、座面前部が折れ曲がる。背中の小さな人でも、圧迫が少ないため、座面奥行きの調整が必要ない。
ON/OFFのモード切替ができる「グライディングストッパー」=グライディングする時と固定して集中して作業したい時のモードの切り替えを積極的に行うことができる。
体圧分散を適正にする「3Dポスチャーサポートシート」=これまでの製品よりも深い、イングのポスチャーサポートは、体圧分散を適正にするとともに、前傾時のすべり落ちも防ぐ、です。
バリエーション
バリエーションは三種類です。
「バーチカルタイプ(クッションタイプ)」(背に体を預けることで背もたれが少し傾くチルト機構を装備。広い面積で背中をサポートしたまま体を動かすことができ、ゆったりとした気分を味わえる)。
「ラテラルタイプ(クッションタイプ)」(背は高さを抑えつつ、サイドのサポートを強化。自由に体をストレッチすることができる。チルト機構は装備していない)。
「メッシュタイプ」(メッシュの背が体の動きに追随することで、より軽く、無意識に、自然とゆれることができる。チルト機構は装備していないが、メッシュが柔軟に体を受け止める)。
カラー
カラーは、メッシュタイプ(背がメッシュ、座が布)の本体がホワイトグレーとブラック。背と座のカラーが、ブラック、ソフトグレー、ダークグレージュ、ミディアムグレージュ、ディープグリーン、ライトオリーブ、ネイビー、アッシュターコイズ、ディープパープル、アッシュピンク、ソフトテラコッタ、オリーブイエロー。クッションタイプは、本体がホワイトグレー、ブラック。背と座のカラーがブラック、ソフトグレー、ダークグレージュ、ミディアムグレージュ、ディープグリーン、ライトオリーブ、ネイビー、アッシュターコイズ、ディープパープル、アッシュピンク、ソフトテラコッタ、オリーブイエロー。
肘・脚
肘は、可動肘、アルミ肘、T型肘。
脚は樹脂脚のホワイトとブラックとアルミポリッシュ。ホワイトはクリーンテクトコーティング(微細な汚れが付着しやすく、汚れが取れにくい、白色の脚羽根が抱える課題を解決すべく「防汚性」に優れたコーティングを表面に施した脚羽根)です。本体シェル色×脚×キャスター色は、ホワイト×ホワイト×グレー、ホワイト×アルミ×グレー、ブラック×ブラック×ブラック、ブラック×アルミ×ブラック。
キャスターはカーペットなど柔らかい床に適したナイロンキャスターと木質のフローリングなどの硬い床に適したポリウレタンキャスター。
受賞歴
「グッドデザイン」「iFデザイン賞」「レッド・ドットデザイン賞」「JIDAデザインミュージアムセレクション金賞」「ジャーマンデザインアワード」「DIAアワード」を受賞しています。
価格(メーカーカタログ価格)
価格(メーカーカタログ価格、税別)は、クッションタイプのラテラルタイプ、樹脂脚(ブラック)、T型肘が104000円、メッシュタイプのヘッドレスト付きタイプ、アルミポリッシュタイプ、本体色ホワイト、可動肘が159000円、など。
山人のオススメポイント
ユニークでオルタナティブなオフィスチェア
イングを高級オフィスチェアのカテゴリーの製品と見るかどうかは異論のあるところかもしれません。そのユニークさや先進性など、従来のオフィスチェアに対してあまりにオルタナティブな存在の製品と思われるからです。また、2022年モデルとして「イングライフ」が販売されており、こちらのほうが在宅ワークに適しているのではないかとも思いますが、今回はやはり画期的なオフィスチェアとしての存在である「イング」をセレクトしたいと思います。
ワーカーの健康を意識
イングが発表された2017年頃はそろそろ健康経営という概念が注目されだしたころだったと思います。座るということに対して否定的な見方が一般化し、2014年頃から上下昇降デスクなども提案されて立位で仕事をする必要性も提案されていました。座りすぎが健康に悪いとされ、業務の中に立って仕事をする時間を取り入れようという提案が行われはじめました。そのような中で発表されたイングでしたが、やはり一番強調されていたのはまずは健康面であったと思います。座りながらも動くことにより、よりワーカーの健康に配慮した思想を具現化したオフィスチェアの代表としてイングはオフィスチェアの新しい歴史を作ったのではないかと思います。
イノベーティブなオフィスチェア
また、その思想を実現したイング特有のメカはこれも特筆するべき存在で、まさに座るを解放するというコンセプトを実現する画期的な発想だと思います。これは一般論ですが、山人は画期的な製品が世に出るときには技術と思いが同時に実現されなければならないと思っていますがイングはその典型例でありイノベーションという言葉をまさに当てはめるべきだと思っています。
自律を促すイス
さらに、イングの発表以前市場においては、ワーカーの健康に配慮して立位での仕事を推奨する上下昇降デスクの提案が行われていたと書きましたが、これはこれで画期的な出来事だったと思います。上下昇降デスクの導入について市場は当初半信半疑でしたが、今ではしっかりと受け入れられています。これに対して座ったままで体を動かせるイングは、座るということに「動く」ということを取り入れたことで、全く立った時とは違う、座ることでできることのこれからの可能性を追求する「自律」というところまで考えてきました。「動く」という概念をイスに取り入れた製品としてはすでにウィルクハーンの「ON」がありますが、イングはそれをさらに推し進めて、座るということの可能性を積極的に肯定、追求し続けているように思います。(ちなみにウィルクハーンジャパンはコクヨのグループ会社ですがイングの開発に直接のきっかけはないようです。)
姿勢から発展する自由
実際の動きは直感的に安全な姿勢を保ちながら軽快に動いてくれます。主に両足をそろえながら頭を固定してお尻と腰を動かすという感じです。その時に今まで体験したことの無いような解放感と自在感があると思います。山人の個人的な考えですが、この時点において、イングは座るという行為において自分の重心とはどこにあるかということを考えさせてくれるのだと思います。さらに言えはその時その時において必要な姿勢について考えさせてくれるのだと思います。山人は姿勢ということが何かを行うに際しての始まりであると考えている一人で、そこから学び、見出し、自分の方法を作り上げていくことへと発展していくのだと思いますが、その自由を与えてくれるイスがイングだと思っています。
ダイナミックとやさしさを両立
また、ダイナミックな動きを実現してくれる半面、軽い操作性を持つので、知らず知らずのうちにワーカーの無意識な細かい挙動に追従してくれると思います。そのあたりはワーカーの健康に配慮していると感じるやさしい一面でもあります。
働き方改革にも貢献
先に自律ということをいいましたが、自律という言葉は以前からオフィス家具の業界に取り入れられていますが、実現するのはなかなか難しいことの1つだと思います。コクヨというメーカーは特にそれに対して常に意識的で意欲的だと思います。働き方改革が叫ばれて久しいですが、そのなかで本当に求められていることの1つがこの自律という言葉だと思います。それを製品というカタチで実現することが望まれていましたがオフィスチェアというアイテムにおいて、座るということにおいてそれを実現したのがまさにこのイングではないかと思います。
いままでのオフィスチェアにはなかった全く違った概念のイスとして、また、座ることをはじめ在宅ワークを活き活きとしたものにしてくれるオフィスチェアとしてイングをオススメしたいと思います。(ただしこちらも個性的なイスなので座り心地に対しては好き嫌いがあると思いますので、ショールームや販売店で座り心地を確認してください)。
メーカー紹介
コクヨ
コクヨ株式会社は、オフィス空間構築などを行う空間価値ドメイン、オフィス用品の仕入れ・販売を行うビジネスサプライドメイン、文具の製造・販売を行うグローバルステーショナリードメインを展開しています。
空間価値ドメインはさらに多様化するワークスタイルのニーズに向き合い、これからの働き方、働く人の暮らし方までを考え、モノとコト、サービスを含めた事業を展開しています。顧客の「はたらく」「まなぶ」「くらす」が、より創造的に、快適になる空間を提案してくとしています。2021年12月期の連結業績における売上高は3201億7000万円です。
コクヨ:在宅勤務向け「家具体験コーナー」(来場)
東京都港区港南1-8-35
東京品川オフィス南館1F「THE CAMPUS」
(品川オフィス1FのSHOPエリア)
予約不要
8:30ー20:00(20:30閉館)
上記のうち10:00ー19:00はスタッフが常駐
スタッフ不在の場合も自由に試すことが可能。
ここに記した説明は2022年10月時点のものです(2022年3月から修正しました)。より正確さを心掛けましたが、変更があったり、もし事実と違うことがありましてもご容赦いただきたく存じます。
また山人のコメントは実際に試座し、様々な場面で取材を通じて得た印象ではありますが、あくまでも主観的なものであり、また、体格差などもありますので、できるだけ試座をされ、あくまでもご自分でご判断ください。
(イングの画像についてはコクヨ株式会社様のご協力をいただきました)