在宅ワークにオススメ(したい)オシャレなオフィスチェア10選 イングライフ
「ingLIFE(イングライフ)」(コクヨ)
イングライフ
イングライフは、コクヨが2021年12月20日から発売を開始したワーキングチェアーです。コクヨは、イングライフは在宅時間が増えた昨今、長時間快適に座ることができ、自宅での様々なシーンに対応したMulti Objective Chair(マルチオブジェクティブチェアー)だとしています。
コクヨによれば、日本人の総座位時間は世界最長の1日7時間であることが発表され(シドニー大学が世界20カ国を対象に行った平日の総座位時間調査)、長時間座り続けることで健康リスクが高まることから、国からも注意が呼びかけられる社会問題となったといいます。同社は、座るという行為に真正面から向き合い、座面が360°揺れ動くイノベーティブなオフィスチェア「ing(イング)」を2017年に発売。動く座面によりあらゆる姿勢をサポートすることを可能にし、体への負担を軽減することから、長時間座っていてもデスクワークできるチェアとして反響を呼び、累計販売数は3万脚(同社、2021年12月のリリース)を超えているとしています。
近年、コロナ禍でワークスタイルにも大きな変化が起こり、在宅勤務が常態化しているとし、在宅勤務を行う人は、職場で勤務する人に比べ、座位時間が1日平均76分長いことが明らかになっており(東京医科大学が行ったCOVID-19アウトブレイク時における一般市民の予防行動に関する研究結果)、体への負担は増加しているといいます。
そこで、同社は新しいライフスタイルに寄り添ったチェア「ingLIFE(イングライフ)」を発売。イングの特性を活かし、在宅向けの機能やデザインにもこだわってさらなるアップデートをした製品だとしています。
イングライフはMulti Objective Chair(マルチオブジェクティブチェア)をコンセプトにしていて、仕事や学習、食事、ゲームなどの自宅での様々なシーンに対応した製品だといいます。体の微細な動きに合わせて座面が360°揺れ動くことで、長時間心地よく座っていることのできるグライディング機能を搭載、体重に合わせて動きが調整されるため、大人だけでなく子供の使用にも適しており、あらゆる体型・姿勢を心地よくサポートするとしています。
また、リビング空間にも馴染むよう考えられたデザインを特徴としており、1脚は大人の仕事用、もう1つは子どもの勉強用などに設置し、空間をシェアしながら一緒に集中しやすい環境を整えることが可能だとしています。
「ingLIFE(イングライフ)」の製品特長
1. 体を固めない、自由な動きに寄り添う360°グライディング
バネを使わずに、シート底面に内蔵された円盤が起き上がりこぼしのように重力で揺れることで座面を動かす、同社独自の新たなテクノロジーを採用した機構だといいます。
360°自由に動く座面が座り方に合わせて調整されるため、座った時の上半身への負荷を軽減するとしています。PCワークの前傾姿勢はもちろん、背にもたれた後傾姿勢にもフィットし、心地よい姿勢に整えてくれるといいます。また重力で動く機構は、体重に合わせて動きが調整されるため、家族みんなのあらゆる姿勢とさまざまなシーンを心地よくサポートするとしています。
2.在宅でのあらゆる姿勢を受け止めるワイドな座面
「ingLIFE(イングライフ)」は座面の幅をワイドに設定。グライディングの揺れとの掛け合わせで、自由な姿勢を受け止めまるといいます。一方で、肘掛けや脚部の幅はコンパクトにすることで、レイアウトしやすいサイズ感に収めたとしています。
3.リビング空間に合うカラー・素材
「空間のアクセントになりつつも日常生活になじむカラーと素材感」をコンセプトに、4色(ブラック/ミディアムグレージュ/ディープグリーン/ブリックレッド)のカラー展開をしているといいます。背もたれは背合板タイプと背布張りタイプを用意。また、脚部はキャスター付きとキャスターなしのタイプがあるため、合計68パターンの中から、自宅のテーブルやインテリアに合わせて選択できるとしています。
グライディングをより効果的にする、さまざまなファンクション
優しく包むワイド背もたれ
左右の動きからしっかりと体を受け止め、優しく包み込むといいます。背木タイプと背クッションタイプから選ぶことができるとしています。
ゆったり座れるワイド座面
幅が広くゆったりとした座面は、グライディングの動きとともに自由な座り方をサポートするといいます。
揺れを効果的にするグリップ肘
グライディングと連動しない、固定タイプのグリップ肘。握りながら体を動かすことで効果的にリフレッシュできるとしています。
カジュアル&コンパクトメカ
存在感を抑えたコンパクトでソフトな印象のメカは、カジュアルなインテリアにも違和感なくなじむといいます。
ラインアップ
背座のバリエーション
背:合板/座:クッション(布張り)タイプ、背:クッション(布張り)/座:クッション(布張り)タイプ、背:合板/座:クッション(面レザー張り)タイプ
飲食を伴うスペースなどには、メンテナンスしやすいレザータイプを用意したとしています。(色:ブラック)
肘のバリエーション
肘付きタイプ、肘なしタイプ
脚のバリエーション
5本脚タイプ=ブラック/キャスター色:ブラック
ナイロンキャスター:カーペットなどの柔らかい床に
ポリウレタン巻きキャスター:木質のフローリングなどの硬い床に
4本脚タイプ=ブラック
ナイロン脚先:4本脚は、カーペットのような柔らかい床に適したナイロン脚先を標準装備。
フェルト脚先:フローリングなどの硬い床への傷つけにくさをより重視する場合は、オプションのフェルト脚先を。
カラーバリエーション
ブラック、ミディアムグレージュ、ディープグリーン、ブリックレッド
価格(メーカーカタログ価格)
背合板タイプ
5本脚、肘付きが104000円。同エコPVCレザーが106000円。
5本脚、肘なしが 88000円。同エコPVCレザーが 90000円。
4本脚、肘付きが104000円。同エコPVCレザーが106000円。
4本脚、肘なしが 88000円。同エコPVCレザーが 90000円。
背クッションタイプ
5本脚、肘付きが 90000円。
5本脚、肘なしが 74000円。
4本脚、肘付きが 90000円。
4本脚、肘なしが 74000円。
受賞歴
2022年レッドドット・デザイン賞
2022年度グッドデザイン賞
山人のオススメポイント
自宅での使用を前提としたマルチオブジェクトチェア
イングライフは説明文にもあるように、自宅での様々なシーンに対応したマルチオブジェクトチェアだといいます。仕事はもちろん、学習、食事、ゲームなどその用途は多岐にわたります。
在宅ワークにオススメしたいオシャレなオフィスチェアとしてご紹介していますが、まさに在宅でのワークだけでなく、在宅におけるワーク以外の用途にも使用できるところが現在のオフィスチェア市場での常識を遥かに超えた製品であるといえると思います。すなわち、在宅ワーク以外に学習家具、インテリア・リビング、ゲーミングの分野のイスとしての特性を兼ね備えていて、それぞれに非常に優秀な機能を持っているということがいえるのではないかと思います。それはひとえに基本的なコンセプトと新たな発想のデザイン、それらを実現しているメカニズムなど、コクヨの持つ企業の総合力、技術力が結実したものだと思います。
必然性に導かれるユニークなシルエット
これも前述の説明文にもあるとおり、もともと日本人の総座位時間の長さからくる健康リスクの高まりへの対応から開発されたというイングの特性を活かし、在宅向けの機能やデザインにもこだわってさらなるアップデートした製品であるイングライフですが、そのシルエットは「イング」のイメージを引き継ぎながらもイングとは若干違ったシルエットを持っています。まず、イングのクイック&ダイナミックな動きに対して、イングライフはスロー&コンパクトになっているといいます。すなわち、重くゆったりとした安定感ある動きで、リラックスした揺れが味わえるとしています。座面と前後左右の移動範囲はイングより小さめである一方、座面の傾きが大きいため、動く量はイングと同程度の体感だとしています。また、イングが座面の動きがダイナミックなので、肘幅と脚幅はイングライフより大きく設定してあり、さらにぴったりとした軽快な動きが楽しめるように座幅はイングライフよりも小さめに設定されているのに対し、イングライフは、座面の動きがコンパクトなので、肘幅と脚幅をイングより小さく設定。一方で、ゆったりと自由な姿勢で座れるように、座幅はイングより広めに、また、4本脚の短編方向を短くしているので、脚抜けにも優れているとしています。
このように、イングとの目的からくる性格の違いを機能とシルエットに反映させているので、イングライフのデザインは必然性を持ったうえでのイングとの違いを明確にされたものであるといえると思います。
長い間求め続けていた座り心地
イングライフの座り心地は今までに経験したことのないもののはずですが、不思議に違和感なく受け入れられるのではないかと思います。一般的な従来のオフィスチェアとは全く違うのですが、すぐに納得のいく心地がして、また何の説明もなしにそのままグラインドして自分のとりたい体勢が取れるのではないかと思います。「腑に落ちる」ということはこういうことだと思います。むしろその前に発売されていたイングの方がいつまでもいい意味での違和感というか新鮮さを保っているような感じがします。
結論からいうと、イングライフの方が今までなかったけれどずっとこの感じを待っていたというような気がするのです。長い間求め続けていた座り心地ともいえるのではないかと思います。
それに比べてイングの新鮮さは常に可能性を感じさせます。つまりもっと良いバランスがあるのではないかということをユーザーに感じさせてくれるのです。
コクヨは「座るを解放する」というコンセプトでイングを開発しましたが、もう一方で「自律」ということにも力を入れています。つまりイングのほうが、自分で動く、動いて何かを見つける、それは単に座ることだけではなく、その時の新しい自分の発見につながる何かを求めさせてくれるような自由さがあると思うのです。
それに比べてイングライフにはまず落ち着きがあります。じっくりと構えて自分のとりたい姿勢をとらせてくれます。適度な硬さはそこでいったん止まり次の思考へと誘ってくれます。つまりイングライフは瞬時にユーザーが求めていた構えをとらせてくれるのです。それに対してイングは常に基本の姿勢を忘れません。常に始まりである姿勢をとらせてくれながら動いてくれるのだと思います。
構えをつくるイス
具体的には、どちらも頭を一定の位置に保ちながらイングは下半身をイングライフは主に下半身を傾けながらも上半身を主に動かす感じがあります。イングがいつでも軽快に反応する感じなのに対し、イングライフの方は動きに重みがあり、自分の意思で体を傾けないと動かないようになっています。また、イングがほぼ両足をそろえ同じ方向に動かし気味になるのに対し、イングライフは両足を互いに動かして相反する方向に足を動かす、足踏みなどもしやすい感じがあります。
また、上半身はイングがほぼ肩と両腕がある程度安定したまま腰を動かすのに対し、イングライフは腰を固定した感じで肩と両腕が互い違いに動かせるという感じになります。従って、イングは左右対称に動きイングライフは左右非対称に体を使えるということになります。つまり、ある程度「姿勢」を保ったまま動くことができるイングに対し、イングライフは自分のとりたい仕事に必要な「構え」をつくることができるのだと思います。
イノベーションと進化の過程
つまりその、ワーカーにその構えをとらせる機能が、コクヨがイングライフに施したアップデートのためのさまざまな機能なのだと思います。山人は、「構え」は「姿勢」から始まり、構えを維持しながら経験を積んでいくことで「カタ」に昇華していくのだと考えているのですが、このイングからイングライフへのアップデートの過程がまさにそれだと思うのです、
さらにいえば、それは従来のオフィスチェアの形式をある意味で破壊し、ワーカーを同じ姿勢で座り続けることから解放し自由を与えた「イング」に、ある目的をもってある種の制約をかけたのが「イングライフ」であると考えたいと思います。「制約」だからといってこの場合はマイナスなのではありません。人間がその力をより効率よく発揮するために例えばスポーツでフォームを重視するように、より洗練された形にするためにある種の制約をかけるということで、それが「技」なのだと思います。
このイングからイングライフへの過程はイノベーションと進化の過程そのものであり、そこを読み解くことがイングライフの価値をより一層高めることなのだと思います。
しかも、制約をかけることによりイングライフはイングよりお求めやすい価格設定になっています。これもまた進化のもたらすメリットです。
肘付き4本脚がオススメ
イングもイングライフにも「肘付き」「肘なし」がありますが、動くということが前提になっていますので、安全・安定のためには肘付きをオフスメしたいと思います。実際の「構え」を取りやすいですし、動きやすく、取り回しにも有効です。
「脚」に関してはこれも安定を求めるのであれば、条件が許せば4本脚タイプの方が個性的でもあり、オシャレな選択であると思います。
「背座」に関してはインテリア性を重視すれば「背木」タイプですが、柔らかくなじむタイプがよいのであれば「背クッションタイプ」がよいと思います。
理屈抜きでもよいイス
長々とオススメのポイントと山人の個人的な考えを述べさせていただきましたが、それくらい今回の「イング」から「イングライフ」への展開はオフィス家具の業界におけるエポックだと思います。それに加え「イノベーション」と「進化」というものが非常にわかりやすい事例でもあると思います。これらのことがもっと広く知ってもらうことが山人の願いでもあります。最後にこういうのも何ですが長々と述べた理屈抜きでもイングライフはよいイスです。
「イングライフ」は2022年のオフィス家具の最も大きな収穫の1つであり、もちろん、在宅ワークにオススメしたいオシャレなオフィスチェアだと思います。
メーカー紹介
コクヨ
コクヨ株式会社は、オフィス空間構築などを行う空間価値ドメイン、オフィス用品の仕入れ・販売を行うビジネスサプライドメイン、文具の製造・販売を行うグローバルステーショナリードメインを展開しています。
空間価値ドメインはさらに多様化するワークスタイルのニーズに向き合い、これからの働き方、働く人の暮らし方までを考え、モノとコト、サービスを含めた事業を展開しています。顧客の「はたらく」「まなぶ」「くらす」が、より創造的に、快適になる空間を提案してくとしています。2021年12月期の連結業績における売上高は3201億7000万円です。
コクヨ:在宅勤務向け「家具体験コーナー」(来場)
東京都港区港南1-8-35
東京品川オフィス南館1F「THE CAMPUS」
(品川オフィス1FのSHOPエリア)
予約不要
8:30ー20:00(20:30閉館)
上記のうち10:00ー19:00はスタッフが常駐
スタッフ不在の場合も自由に試すことが可能。
(イベントなどで利用できない場合もありますので事前にHP等でご確認下さい)
ここに記した説明は2022年10月時点のものです。より正確さを心掛けましたが、変更があったり、もし事実と違うことがありましてもご容赦いただきたく存じます。
また山人のコメントは実際に試座し、様々な場面で取材を通じて得た印象ではありますが、あくまでも主観的なものであり、また、体格差などもありますので、できるだけ試座をされ、あくまでもご自分でご判断ください。
(イングライフの画像についてはコクヨ株式会社様のご協力をいただきました)